小説とプログラミングのお話

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低価格でノートPCをゲーミングPC化!グラフィックカード外付け

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PCで通常の事務作業をするには、CPUのみで十分賄えたりするのであまり必要のないグラフィック性能ですが、昨今のPCゲームは画質なども向上しているため、遊ぶためにはCPUとは別にグラフィックカードが必須となっています。

とはいえ、デスクトップ型のパソコンならばグラフィックカードを購入して、対応するスロットに差し込めばいいだけですが、ノートパソコンとなるとそうはいきません。

最近はゲーミングノートパソコンというタイプも増えてきていて、GPUを内蔵したノートパソコンも多いですが、これはマザーボードに直接ハンダ付けされているタイプが殆どであり、デスクトップ型のようにパーツを交換して気軽に性能アップとはいかないのが実情でした。

かくいう私が普段使いしているノートパソコンも元はゲーミングノートパソコンという括りでして、かつては当時のPCゲームをそれなりに快適に遊べたものです。

ちなみに私が使っているパソコンは、ドスパラさんの「Prime Note Galleria QF655」というノートパソコンです。

  • 型式 Prime Note Galleria QF655
  • 発売日 2012年7月
  • CPU Core i7 3610QM(Ivy Bridge)2.3GHz/4コア
  • ビデオチップ デュアルグラフィックスGeForce GT 650M + Intel HD Graphics
  • メモリ 16GB
  • ストレージ SSD120GB+HDD1TB

しかし、それも購入から10年近く経つと、スペック不足は否めません。最近流行りのゲームなんかは殆ど遊べない状況です。

最近「valorant」というゲームにハマっていまして、このノートパソコンでなんとかやりくりしながらプレイしていました。

「valorant」は、最近公開されたゲームですが、動作が非常に軽く10年前のPCでも動くというのを売りにしているそうです。

おかげで私のパソコンでも動作はしてくれるのですが、流石に辛そう……最低画質設定なのにファンは凄い勢いで回っていますし、CPUやGPUの使用率は100%に常に張り付きです。

これでは快適にプレイできない……なんとかならないか。でも新しいデスクトップパソコンやノートパソコンを買うのも憚れる……。

私のパソコンのCPUは第3世代core i7であり、若干の力不足は感じるものの、それでもGPUのスペック不足に比較するとまだマシ……問題はGPUなんだよな……。

そんな思いを抱えながら色々と情報収集していたところ、eGPUというキーワードが引っかかりました。

要はノートパソコンにゲーム動作に必須のグラフィックカードを外付けしてやろうってことですね。

最初はなるほどと思いました。

ゲームに必要なのはどちらかといえばCPU性能ではなくGPU性能です。必要な性能は外から持ってくるという発想は確かにその通り。

更にeGPUについて調べると、いくつかの方法があることがわかりました。

 

さて、それぞれの方法について解説する前に、前提として必要な知識があります。

それは、外付けでグラフィックカードを接続すると、そのグラフィックカードの性能を100%発揮できないということです。

個体差もあるようですが、概ね70%から80%程度の性能しか発揮できないようです。

この原因は諸説あるようですが、私個人としては接続するケーブルや端子の伝送速度がボトルネックになっているためかなと考えています。

グラフィックカードの処理性能がいくら高くても処理するデータそのものが届かないと意味ないってことですね。

もちろん性能低下の理由はこれが全てではありませんが、結果として現在の外付けでは性能低下は免れないということを覚えておいてください。

これを踏まえて上記の方法をそれぞれ考えます。

 

外付けGPU BOXを使用(Thunderbolt3接続)

グラフィックカードをセット可能な基盤と電源を内蔵したケースです。基本は蓋を開けて中にグラフィックカードをセットし、電源を入れてパソコンとケーブルで繋ぐといった形です。

恐らく性能面では①の方法が一番グラフィックカードの性能を発揮できるものだと思います。

要因の1つとして、端子、ケーブルの伝送速度が高いということがあげられます。

Thunderbolt3のデータ転送速度 は最大 40 Gbpsと非常に高速です。

「eGPU」と検索かけると、大抵この方式のものが検索結果として出てきます。

しかし、色々とデメリットも多いです。

まずは接続端子であるThunderbolt3がまだ新しく、端子として搭載されているノートパソコンが少ないこと。macだと搭載されていることが比較的多いようです。

そして、なにより高価なこと。

2020年7月時点で、約3万円から6万円程度の価格となっています。

これに加えてグラフィックカードの価格も上乗せされるわけですから、総額では下手するとパソコン買い換えと同程度の出費となってしまいます。

これでは中々気軽に導入しようとは思えないですよね。

私の場合はそもそもThunderbolt3端子が備わっていないため導入は無理なのですが、価格面で考えても導入することは難しいなと思ってしまいます。

 

EXP GDCを使用(mPCIeスロット、エクスプレスカード、NGFFのいずれかで接続)


KKmoon ラップトップ 外部独立型ビデオカード グラフィックスドック V8.0 EXP GDCビースト向け ミニPCI-Eバージョン

低価格でなんとかできないかと探していた際にヒットしたのが、この方式です。

中国で生産されているパーツでして、低価格&比較的一般的な接続方式でグラフィックカードを外付けできるということでかなり愛好家がいるようです。

すでにたくさんの方々が挑戦されていますので、youtubeにも参考動画がたくさんアップされています。

しかし、成功もあれば失敗もあるようで、挑戦するのは中々ギャンブルなようです。

形としては、グラフィックカードの主な接続端子であるPCIe×16の変換アダプタといったところ。

①のGPU BOXと違って電源がありませんので、グラフィックカードへ補助電力を供給する電源を別に用意する必要があります。といっても、PC自作をされていた方なら部屋の片隅に電源の一つくらい転がってそうですし、無い方でも安い電源であれば1000円程度から入手は可能です。もちろん、質は保証されませんが……。実際、今回私が使用した電源は2500円程度でヤフオクで中古品を入手しました。

ちなみに新品だとこんな感じです。

接続端子は、mPCIeスロット、エクスプレスカード、NGFFの3種類。

エクスプレスカードスロット搭載のノートパソコンは最近あまり見ないので、古い機種を魔改造して復活させたいといった用途以外ではあまり出番がないかもしれません。

NGFFは今だとM.2といった方が良いですね。

主にSSDを接続するスロットとして使用されている端子です。これは結構搭載されていることが多いと思いますので、大抵のパソコンで挑戦が可能かと思います。

mPCIeスロットは、主にwifiやbluetoothのカードを接続するのに使用している端子です。

wifiに接続可能なパソコンならば、まずこの端子が内部にあると思って良いと思います。

一つ注意なのが、mPCIeスロットを使用する場合、元々差さっていたwifiカードなりを抜き取って、代わりにEXP GDCのコードを差すことになります。そうすると当然ながらwifiなどは接続できなくなりますので、別途USB端子の方で子機などを接続しておく必要があります。まあ、wifiなんか使わないで有線しか使わない方は問題ないでしょう。

ちなみにこれは、上記のNGFF(M.2)も同様です。

さて、この方式のメリットですが……

  1. 価格が安いこと
  2. 取り扱いが簡単なこと

かと思います。

amazonなどで探すと、大体4000円程度で手に入るようです。中国の通販サイトで直接購入すれば、さらに安く手に入りそうです。

電源が付いていないとはいえ、GPU BOXの導入コストと比較するとかなり魅力的な価格差ですよね。

そしてその取扱いですが、グラフィックカードをアダプタに差して、電源を繋いで、ノートパソコンと接続するだけ。

電源のONOFFもノートパソコンと連動するようになってくれているので、扱いは楽かと思います。

さて、デメリットですが、

  1. グラフィックボードをパソコンに認識させるために若干の難があること
  2. 中国製なので信頼性が低いこと
  3. 納期が非常に長いこと

 といった3点があげられます。

ネット上で検索をかけると、たくさんの方の挑戦結果が確認できると思いますが、使用するノートパソコン及びグラフィックカードによってはデバイスの認識をしてくれず導入が不可能だったという例が数多く報告されています。これについては、後ほど詳しく説明します。

次に生産元としての信頼性ですね。これもネットの口コミなどでは、接続端子が歪んでいたり、ケーブルが断線していたりといった不良品としての報告があげられていて、注文して届く製品が果たしてきちんと動作してくれるのか、届くまでかなり不安にさせてくれるようです。

たとえ不良品ではなかったとしても、上記にあるようにデバイス認識してくれなくて使えないこともありますので、かなり博打の要素が高いと思ってください。

そして、特に私が我慢できなかったのか納期です。

通常でも海外からの発送となりますので、最短でも二週間程度はかかるようですが、昨今のコロナ事情により、更に納期が延びている印象です。

現在ですと一ヶ月以上かかるのが殆どのようで、中には当初の納期を大幅に過ぎても届かないといった情報もありました。

今すぐにでも快適にゲームをプレイしたいのに、一ヶ月以上お預けなのは耐えられない……。

そう考えた私は、この方式を断念し別の方式を模索しました。

 

マイニング用のアダプタパーツを使用

 色々調べていて私が考えたのは、EXP GDCはグラフィックカード外付け用アダプタという側面が強く押し出されているけれど、これって結局ただPCIe×16の端子を他の端子に変換してるだけなんじゃないのか、ということでした。

検索用ワードをそっち方面に切り替えて調べるといくつか似たような製品がヒットしました。

グラフィック性能向上のためというよりも、先般流行っていた仮想通貨のマイニング用にグラフィックカードを増設するためのパーツとして使われていた製品が多いようです。

しかし用途が違うとは言っても、結局はグラフィックカードを接続して、パソコンに認識させ、その性能を発揮させるためのパーツです。マイニングのための演算に使おうが、グラフィック処理に使おうがパソコンにちゃんと認識さえしてくれるのであれば関係ないと私は踏みました。

私が考えていたのは、miniPCIeスロットをPCIe×16に変換することでしたので、候補としてあがったのは下記です。


Demiawaking mini USB 3.0 PCI-E Express 1x〜16x エクステンダー ライザーカードアダプター SATA 6ピン 電源ケーブル 40cm

これは私の要望に正に合致する製品だったのですが、残念ながら納期がEXP GDCと同様に一ヶ月以上ということで候補から外しました。

結局採用したのが、下記のパーツたちです。


GLOTRENDS PCI-E 1x〜16x延長ケーブル0.6m USB 3.0 外部グラフィックスカードまたは他のPCIeデバイスを接続するため( (UEX106))

GLOTRENDS Mini PCIe-PCI Express X1インターフェースアダプターアダプターエクステンダー、60 cm USB 3.0ケーブル付きPCIEライザーカード(UEX107)

MiniPCIeからPCIe×1に変換し、PCIe×1からPCIe×16に変換するというちょっと手間のかかる方法となりました。

しかし、これらのパーツは納期がわずか1日か2日程度で、しかも価格もそれぞれ1000円程度と、EXP GDCと比較しても更に安いというかなり魅力的な要素を持っています。

早速これらを購入して、グラフィックカードの外付けに挑戦しました。

 

次回、実際の接続風景を掲載しながら説明をしていきたいと思います。